Vinyl roof
アメリカに来ると、セダンの屋根に布みたいなものが張ってあったりする。コンバーチブルという訳ではなく、ハードトップの屋根の上にカバーをかぶせている。何のためにこんなことをするのか、ぱっと考えたことは、
・これはフェイクのコンバーチブル。
・たとえば天皇陛下の専用車とか、非常にフォーマルな車はコンバーチブルと言うことになっていて、雰囲気だけそれに似せるために、わざと布を張っている。
という仮説を証明するためにWebを探してみたりしたのだが、こういうのはVinyl topあるいはVinyl roofと言って、いわゆるフェイクのコンバーチブルとしての、車の形式の一つらしい。自分なりに整理してみると、
・1750年代から、馬車の幌の形式で、ランドー型(Laudau、前後に向き合う座席上にそれぞれ折りたたみ式の幌のついた四輪の客馬車、リーダーズ英和辞典から)の馬車が流行。
・1920年代ころ、米国において車の屋根の後ろ半分を布、あるいは革で覆った形式の車が、フェイクのコンバーチブル「ランドー型」として流行した。
・同様の車は戦後の米国でも流行。車のCピラー部分が大きく窓なし/小さい窓で布カバー(コスモL?)、場合によっては側面にランドーバー(波の形状をした細い棒。たぶん馬車で幌の一部を支える働きをしたのではないか?と想像される。霊柩車の側面についているあの細い棒がランドーバー)がついていた。また布、革ではなくビニール系の素材で天井を覆った車がVinyl roofと言われた。
・・・ということで、高級感、やんごとなき感の演出のためのフェイクのコンバーチブル、という意味ではだいたいあっているみたいだ。ちなみに、
・当方の知る限り、Vinyl roofは自動車メーカーはオプションで作っていない。専門の業者がある。
・布の固定(側面)はリベット等で行っている。Vinyl roofをはずした車を見たことがあるが、ピラーのあちこちに穴が開いたままになっていた。
・自分の理解が正しいとすると、屋根の後半だけが布で覆われたものが正式のランドー型。セダンの屋根全体が幌になっていても、「これどうやって開けるのよ?」と思ってしまうが・・・。
・退色は、驚くほどない。白濁したVinyl roofは、ほとんど見たことがない。
以下参照したページ
Wikipedia
Vinyl top
Landau Car
霊柩車。日本のBuddhist-style霊柩車の写真も