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Vinyl roof

softtop01.jpg
 アメリカに来ると、セダンの屋根に布みたいなものが張ってあったりする。コンバーチブルという訳ではなく、ハードトップの屋根の上にカバーをかぶせている。何のためにこんなことをするのか、ぱっと考えたことは、
・これはフェイクのコンバーチブル。
・たとえば天皇陛下の専用車とか、非常にフォーマルな車はコンバーチブルと言うことになっていて、雰囲気だけそれに似せるために、わざと布を張っている。
 という仮説を証明するためにWebを探してみたりしたのだが、こういうのはVinyl topあるいはVinyl roofと言って、いわゆるフェイクのコンバーチブルとしての、車の形式の一つらしい。自分なりに整理してみると、

・1750年代から、馬車の幌の形式で、ランドー型(Laudau、前後に向き合う座席上にそれぞれ折りたたみ式の幌のついた四輪の客馬車、リーダーズ英和辞典から)の馬車が流行。
・1920年代ころ、米国において車の屋根の後ろ半分を布、あるいは革で覆った形式の車が、フェイクのコンバーチブル「ランドー型」として流行した。
・同様の車は戦後の米国でも流行。車のCピラー部分が大きく窓なし/小さい窓で布カバー(コスモL?)、場合によっては側面にランドーバー(波の形状をした細い棒。たぶん馬車で幌の一部を支える働きをしたのではないか?と想像される。霊柩車の側面についているあの細い棒がランドーバー)がついていた。また布、革ではなくビニール系の素材で天井を覆った車がVinyl roofと言われた。

・・・ということで、高級感、やんごとなき感の演出のためのフェイクのコンバーチブル、という意味ではだいたいあっているみたいだ。ちなみに、
・当方の知る限り、Vinyl roofは自動車メーカーはオプションで作っていない。専門の業者がある。
・布の固定(側面)はリベット等で行っている。Vinyl roofをはずした車を見たことがあるが、ピラーのあちこちに穴が開いたままになっていた。
・自分の理解が正しいとすると、屋根の後半だけが布で覆われたものが正式のランドー型。セダンの屋根全体が幌になっていても、「これどうやって開けるのよ?」と思ってしまうが・・・。
・退色は、驚くほどない。白濁したVinyl roofは、ほとんど見たことがない。

以下参照したページ
Wikipedia
Vinyl top
Landau Car
霊柩車。日本のBuddhist-style霊柩車の写真も

Vinyl roof等の会社

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コメント (7)

pen:

 へええ!そういうことだったんですね。勉強になります。
 しかし、わざわざお金をかけて改造していたのだとは。まあ、役に立たないエアロパーツや、カンガルーやバッファローに激突するするわけがない国でのカンガルーバーを考えれば、同じことかもしれないですね。
 ちなみに、フェンダーのメッキパーツ、以前台湾でも良く見ました。これも日本ではあまり見ないドレスアップですよね。

お金をかけて偽物を作るというのがどうか?という気もしますが、我々の生活の中にもそういうものはあるかも知れないですね。米国ではメッキのフェンダーは見ませんが、木を張った(フェイク)車は時々見ます。あれももしかしたら馬車からの転用だったりして、と思います。また調べてみます。

riro:

コスモL!懐かしい。
70年代のリンカーンでよくCピラーがああなってた気がします。楕円の小さなウィンドウ付き。
ホイールリップのメッキカバーは、3世代前のメルセデスSクラスに付けてるのが多かったような。80年代前半の最初のスラントノーズのやつ。

70年代のリンカーンは、ああいうのが多かったと自分も記憶しております。今考えついたのですが、コスモLの「L」はもしかして「Landau」のLか?それともリムジン?リンカーン?とすると、今度はコスモAPの「AP」が何か、という疑問に行き着くわけですが・・・。ということで再びWikipedia。
Lはランドウ・トップのL、APはAnti Pollution (公害対策)でファイナルアンサーなんだそうです。AP、名前がちょっとかっこ悪・・・。

scr:

この手は、ファントムトップという呼び名を記憶しています。
で、何がファントムなんだろう。。。。っは!フェイクのコンバーチブルか。って先日ちょうど気がついたところ。気がつくのに、数十年かかっちゃいました(日本で流行ってたのはやっぱり70年代ですもんねえ、ずっと記憶の彼方で、存在そのものを忘れてたもので)
それとそんな名前はもっともらしいウソなのかと今回ぐぐってみましたが、一応そうも呼ぶみたいです。でもものすごく引っかかる数が少ないので、いまはVinyl Topのほうが一般的なのかもしれません。
しかし白濁してないのはなぜだろう。日本では少なくとも、(コンバーチブルのビニールトップは)白濁します。そちらでは、やはり高級な遊びだからかな。それとも雨や紫外線が少ないのかな。

 白濁については、よーく見たらしているのかも知れませんが、黒っぽいVinyl Topはどれみても結構黒が深くて、白濁しているようにはなかなか見えないのです。雨も紫外線も少ないとは思いません。なぜでしょう。
 しかし車でファントムというとロールスロイス系ですか。なんだかさらにやんごとなき感が漂ってくる気がします。

 さらに自己レス。
「これは退色か?」というのを発見しましたが、それほど気にならない。つまり、
・変色する際に、黄変するなどいかにも古くなりました的な色の変化でなく、ただ白っぽくなる
・部分的に色が変わるのではなく、全体が均一に、むらなく変色する
・ざらざらした質感になったりせず、ただ色だけが変わる
というような変化であれば、元の色がどうだったかなんて誰にも分からないと思い始めました。つまり、あちこちに走っているVinyl Topの色が買ったときから変色しているなんてオーナー以外誰にも分からない、という可能性があることがなんとなく分かってきたと。

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2007年6月 3日 22:37に投稿されたエントリーのページです。

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