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アメリカ人から見た外タレの英語力#6 -アーティストの立ち位置について-

今回は日本人が米国にでる際の、立ち位置について考えてみたい。ちなみに以下は当方が自分の経験や今回のヒアリング等から発見したりして、勝手に展開する持論である。素人なのは言うまでもない。いいのか、こんなに偉そうに述べて。考えてみれば当たり前のこともあるが、何かありましたらご意見頂きたい。

1.英語の方言は、世界中に広がっている。
 日本での方言とは、関西弁だったり九州弁だったりするわけだが、世界言語である英語は米国内の南部訛り、Bostonあたりを中心とするNew England訛り、英国内の訛り(あ、こっちが本場?)のみならず、ロシア語っぽい英語、スペインっぽい英語、中国っぽい英語などと、方言が世界中に広がっている。そういう方言を意味する言葉はないかも知れないが、そういう方言、ジャンルそのものは存在する。

2.英語圏を考えた際に、日本は辺境
 主語・動詞の並び方が全く違ったり、LとRの発音がなかったり、文字がアルファベットの系統でなかったりとかを考えると、英語と日本語は大きくかけ離れている。少なくともフランス語やスペイン語からは遠く離れている。言葉が違うと言うことは文化も違うと言うこと。松田聖子であれドリカムであれ、日本市場を制覇した著名アーティストだとしても、米国に行った瞬間に立ち位置は米国市場のフェアウエイではなく、思いっきりラフ、すなわちド田舎から出てきた一人になってしまう。

3.米国の音楽市場は、日本同様、あるいはそれ以上に細分化されている
 米国にいた3年ちょっと、ブリトニーが歌っているのをテレビで見たことは一度もない。ヒップホップも見なかった。ティーンズ向けアイドルもだ。どこで彼らを見れるのか分からないが、市場は存在する。日本のヒップホップ系だってテレビで見たことはないが、感触としては米国の方が細分化しているように感じる。ボストン地区のFM局は25くらいある。LAだと30以上あった。日本だと首都圏でもせいぜい5-6局。日本レコード大賞は全部で15部門あるが、グラミー賞は110。いくら世界的に影響力があるといっても110ですよ110・・・。

つらつら考えると、どのあたりをどう攻めるのか、それも広めでなく狭いところをピンポイントでどう攻めるのか、がポイントのような気がする。複数の市場をぼやっと薄めに攻めるのは、コスト的にもきっとおいしくない。日本で人気があるからと言って、ポップスの王道的なところで攻めても表現力ではネイティブに勝てないし、ライバルが多すぎる。
(なんてなことを考えると、ただレコード出しただけのアーティストを見ると、アメリカで売るつもりがなくて、ただアーティストの箔をつけたくてアメリカでレコード出してみました、なんて人もいるんじゃないかな、なんて思ってみたりして。)

persetsubun01.jpg
そろそろ節分ですね、ってまた関係のない画像。
マメはぶつけてないです。

とかとか考えて前回聴いたアーティストを見返してみると、
・松田聖子は王道狙い。しかし王道はライバルも多い上に、英語力でも壁が高い。王道ってのは、人気が出てから攻めるところなのではないだろうか。でも一度日本市場を独占した人が市場のはじっこで勝負を始めるというのは、けっこうプライドを傷つけたりするのでは?と想像(しかもこの人の場合はデビュー当時から超大型新人だったし。)
・ドリカムも曲としては王道感あり。しかし、狙い目がどこか、ちょっと見えにくいか? 見えにくいからと言ってターゲットを絞るのも難しいだろうな。アメリカのOLのつもりで曲が書けるか?(無理だな・・・) やっぱり、全世界共通の愛とか失恋あたりまででまとめるのが無難なのか。この人の場合は、やはり声の良さで勝負したかったんだろうと想像されるが、この人の声の良さを生かせる歌が日本的で、米国人にはいまいち受けてないような気がする。どうやら、声の良さってのにも国籍がある、そんな気がする。
・宇多田が一番ターゲットを明確に絞って曲を作った。ターゲットは明確だったが、やりすぎてしまった(みたいだ)。スラングは流行廃れが早いので、使うのは難しい。特に10代の流行語はさらに早いだろう・・・。昔米国に住んでいたとしても、現在住んでいない人が攻めるところとしては、リスクが大きいな。ちなみにあちこちのサイトや掲示板で見てみると「Easy Breezy Japanesy」は「すぐにひっかかる日本人」的な意味で使われているそうな。別の曲では「あんたのことなんざ知ったこっちゃない」的な表現もあるそうで、そういう曲調ならば米人も聴いてていい気分はしないわな。

そんな中で、実は今回聴いてみた人よりも米国で成功している人がおりまして。Puffy AmiYumi。自分らがキャラクターになったアニメが全米放送。NewYorkのブロードウェイに高さ5メートルの顔看板も貼られた日本人はこの人たちだけだろう。彼女らはどういうところが受けたのか? 次回、また素人なりに展開してみたい。

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2010年2月 3日 02:18に投稿されたエントリーのページです。

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