犬の散歩中、ふと思い立って裸眼で歩いてみた。裸眼で外を歩くの、どれだけぶりだろう。起きてから寝るまで、裸眼で居るのは風呂だけだし。視力は0.1ある?くらいだが、ともかく歩いてみた。
で、家の前の道路がこんな感じになるわけだが(皆様は何に見えますか)。
・眼はフォーカスを合わせようとするが、うまくいかず。行くはずがない。20センチ以上遠くの物体にはフォーカスが合わないマクロ系レンズなのだ(これは仕様です)。目が疲れる。恐らく合焦させる筋肉(毛様体)が一生懸命がんばっているのだろう、無駄な努力で申し訳ないが。眼球まわりのひりひりした感じと周りを認識できないことが、自分を少し苛立たせる。
・星は一つ二つしか存在が分からず。それ以外は空の闇に溶け込んでしまっている。
・暗い場所で立ち止まると、目に映る画像はもはや道路の体をなしていない。自分の視覚認識機能が「そこは歩く場所じゃない」と言っている。が、今まで歩いてきた記憶から「ここはまだ道路だ」と思い直して入り込んでいく。初めての場所なら、歩き出すのは相当勇気が要りそうだ。初めてでなくても、犬のうんこには気付かないだろう。
・暗闇からゆらゆらと一本の白っぽい棒が現れる。棒の動き具合で「人間」と分かる。人間の下半分を黒い影が隠す。もう少し近づくと犬だと分かる。
そんな訳で、自分が認識に困るような異世界は、意外と近くに存在したのであった、なんて余裕こいていられるのも、現代人に生まれてのこと。クロマニヨン人でなくて、ほんと良かったよ・・・・。