空の広さに関する考察
あちこちを旅したりしてきれいな空に出会ったりしたときに、「空が広いなあ」さらに
「どうしてこの空は広く感じるのだろうか」と思ったことはないだろうか。
当方はある。はじめは建物が近くになく、自分に見える空の面積が広ければ広い空、
ということだろうと思ったのだが、どうもそれだけでもないようなので、あれこれ仮説を作って
自分の中で検証してみた。他の誰にも聞いたわけではないので客観性はないのだが、
たどり着いてみたら意外に単純だったのであった(自分の頭が単純、という説はおいといて)。
以下、思いついた説を順番に展開する。
人はどこから空の広さを感じるか?
#1:開口角度説
建物に囲まれた空と、田んぼの真ん中で見る空、どちらが広く見えるかを考えれば答えは明快だ。
空を遮るものが無く、空の半球を全て見通せたら、そりゃ広く見えるに決まっている。
だから、この空が見える角度が180度に近ければ近いほど、空は広く見えるはずだ。
高い山の上から見たら、もしかしたら空として認識できる角度は180度を超えるかも知れない。
そうしたら、もっと広い空を感じることが出来るかも知れない。
しかし考えてみたら、例えば曇が垂れ込めている空からは、認識できる角度が180度だったとしても、
広さをきっと感じられないだろう。
ということは、空の広さは角度(だけ)では認識しきれないのだ。
#2:見通し距離説
#2-1:遠くの雲への距離説
アメリカだと平原や森がそれこそ何百キロ以上もつながっているのだが、そこを走っていると
時々自分が見たこともないような遠くの雲が見えることがある。空に浮かんでいるふわふわした雲が、
地平線に近づくにつれどんどん小さくなるのだが、それでも霞んでしまうことなく、
目をこらせば凝らすほど小さな雲になって、数百キロ?も遠くまでそれこそフラクタルのように
どこまでも続いていく。遠くが見えれば広さを感じることは間違いないだろう。
#2-2:遠くの物体への距離説
しかし雲のような抽象的な形のものを見て、どれほど遠いか認識することは、実は難しいのではないか、
という気もする。実は山や湖など、遠くにある地上のものを見て距離感を得ている、という説はないだろうか。