FLOOR B-05


Ducati907I.E.動力性能

Ducati 907I.E.に乗ると、こんな感じです。

身長173cmの私がまたがってみて、ポジションは非常に自然です。
シートが厚く、足と腰、ハンドルバーに体重がうまく分散されている感じで
長時間のっていてもからだの疲れはほとんどありません。
ただ、サイドカウルの出っ張りがふくらはぎに当たり、
はじめ少し面食らいますが。
ハンドルバーの幅が狭いせいか、ポジションの感じだけで言うと何となく
BMWのR100RS的な感じもしますが、またがった場所からの風景は
赤一色でわくわくしてきます。

キーをひねるとまずタンク内のポンプ音がジーッと唸りだします。
スタートボタンでエンジンはあっけなく始動します。
始動性に関しては、夏・冬共に全く問題なし。
エンジン音はドカティ各車の中では静かですが、なんだか壊れそうな
メカ音とトルクのありそうな排気音のそれはいかにもドカティそのもの。
言葉で表現すると、難しいのですが「ギャンギャンギャン!」というメカ音と
「ドンドンドンドン!」という排気音が一緒に聞こえると言う感じでしょうか。

ちなみにアイドリング時は静かとは言え、早朝の暖機では50m以上離れた
ご家庭からお叱りを頂くくらいの音量はあります。

乾式のクラッチを慎重につなぐとドドッと走りだします。クラッチをつなぐのは
馴れてもあまり好きではなく、特に坂道発進のときは泣きそうな気分に
なってしまいます。

エンジンは、2500rpm以下はぎくぎくして使い物にならず、常に3000以上を常用。
3500以上でかなり生き生きとした走りが楽しめます。一般に言われるような
「爆発の一発一発を感じるようなフィーリング」は健在で、5000-7500の
トルクの盛り上がりは圧巻。8000以上の回転域ではそれほどドラマ性を感じず
何となく回っているだけのような感じがするのは、私の慣し方が
まずかったか、この車種がそうだからか、どっちかでしょう。
中速域のトルクの豊かさは充分で、どこからでも加速できる感じがして
頼もしいかぎりです。現在NSRに乗っているので、特にそう感じます。
ま、その他のスポーツバイク、たとえば916や1100マルチと較べてどうなんだ、
と言われるとちょっと断言できませんが。

他のドカティのエンジンと比較して、音の静かさもあり、ジェントルで
まろやかな印象があり、あまりスパルタンな感じがしません。
ま、他のドカティといってもBimotaだったりするので、900SSとの比較では
ありません。とある雑誌では900SSよりもよい、という記事が掲載されて
いたことがありますが、直接比較したことがないのでなんとも言えません。
インジェクションですが、いいのか?と言われると正直分かりません。
ただもたついたり、というような特性を感じたことはなかったので、
きっとキャブレター仕様のものよりはいいのでしょう。
メータ読みでちょうど8800rpmあたりで燃料カットを行っているらしく、
いきなりがくっとエンジンの回転が落ちます。6速ミッションは自然なつながりで
6速100km/h時で3750rpm。計算では8800あたりで240km/hに達するはずです。
200くらいまでしか試していませんが・・・。
また峠あたりまで来ると今まで嫌だった乾式クラッチがとてもよいものに思われ、
スパッとつながる快感にうっとりしてしまう。加速時も、減速時も音に酔ってしまう、
それこそ気が遠くなるほどに気持ち良くなってしまう、危ない魅力を持っているのは
ドカティ一族の血統だからでしょう、きっと。


ステアリングですが、舵角が少なく、大変不便です。それどころかUターンの際に
倒しかけたことが何回もあり、その点では危険ですらあります。しかし走行中は
車体は軽く切り返しは容易、しっとりしたジェントルな感じで走れ快適です。
シャーシの剛性はそれほど高いとは思えません。以前のっていたKawasaki ZZR-400等に
比べても明らかに劣っていると思われるのですが、何かばねのように弾む感触があり、
かえって生き生きとしたライディング感覚を楽しめるように感じます。
あくまで私のペースではなんの問題もなく自然にバイクが答えます。
アクセルと後輪が直結しているような感触があり、非常にダイレクトに反応するので
大変楽しく走れます。
ちなみに燃費ですが、箱根を飛ばして12-13km/l、ツーリングでは17-19km/l。

まだびくびく走っております。

特筆すべきは接地感の良さで、どんな状態にあろうと前後輪が路面をつかんでいる状況を
的確に伝えてきます。何がそうさせるのかは分かりませんが、友人の国産大排気量バイクに
試乗させてもらったときは、「雲の上を飛んでいるのか?」と思えるほどに情報が少なく、
その差に愕然としました。

ブレーキですが、対向4ポットのブレンボをダブルで装着しており、効き味に全く問題は
ありません。ただし悪く言えばスポンジーな感触があり、なんだか「にゅっ」と効く感じです。
まあでもコントロールはしやすかったので問題はないのでしょう。
日本製の「カツーン」と効くブレーキの方が私には好みです。
ちなみにリヤブレーキは全く効きません。なにか踏んでいる
感触がなく、実際全然効いていません。と思うといきなりロックしたりする。
あまり使っていませんでした。


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