Manchester Firing Line Range
ここまで来たらもう一つ、ということでH&K(Heckeler & Koch)のUPS。
こちらも銃器メーカーとして非常に著名だ。弾丸は若干大きくして0.40。弾が大きくなった分、ショックも大きい。
グリップの裏側にはチェック柄の細かい滑り止め(小さいピラミッドが無数に着いていると思えばよい)があるのだが、
撃つたびに手のひらに食い込んでくる感じがある。
命中精度は、持ちやすいからか?他の2つよりも好印象。個人的には、今までに試した3つの中ではこれがベストと思えた。
ちなみにマガジンを入れ替えたりするときは、人差し指はこうしてまっすぐ伸ばすように教えられた。
トリガーをうっかり引かないための作法である。
弾丸の入ったマガジンを入れた状態。オートマチックの銃は、マガジン内の弾を全部撃ち尽くすと
このようにスライドが交代した状態で止まる。ここで新しいマガジンを挿入し、シアを下に押し込むと
スライドが動いて弾丸を装填する。 握り込んだ状態を上から見ると、シアは親指に触りそうで
触らない場所にあるように見える。一方、セーフティはすぐにでも動かせそうな
位置にある。
この銃に限らず、目の位置に構えて撃っていると、 弾が入っていないと分かっても、銃口は怖くてのぞき込めない。
しかしこうして撃ってみるとあれこれ分かってくるのだが、
・拳銃は、たとえば人間くらいの大きさの的に向かって弾を当てるのを目的として作られており、
直径1センチの的に連続して当て続けるような目的には作られていない。
・拳銃の有効な射程距離、すなわち撃ったらまあ当たるだろうと思われる距離はせいぜい10メートルまで、
がんばっても15メートル。それもしっかり両手で目の高さに構えて撃たないと行けない。
思った以上に至近距離で使用する道具だった。
・走りながら撃ったとしたら、試したわけではないが、10メートル先の人に当てる
自信は全くなし。ましてや人混みの中で撃つようなことは、まともな判断力があったら
絶対にできないだろう。
・西部劇映画等でホルスターから引き抜き、腰の位置で撃って20メートルくらい先の相手を打ち抜いたりしているが、
あれやろうと思ったら相当訓練しないとだめ。いや、訓練して出来るようになるようなレベルなのか?
漫画ではそのまま頭を打ち抜いたり(荒野の少年イサム)しているが、それはまず不可能、と宣言したい。
川崎のぼる先生、鉄砲撃ったことありますか・・・・
・それにしても、この殺傷力がこんなに簡単に手にはいるというのは驚異だ。
日本刀の一振り、と同等かはともかくとして、トリガー引くだけ、というのはあまりにも簡単すぎ。
・もし強盗が家に侵入するときに、そこに誰かが銃を持っているかもしれないと考えたら、
侵入を思いとどまらせる効果は非常に大きい。
反対に、侵入者の立場で考えた場合、自分が銃を携帯していたら、相手に対して圧倒的に優位に立てる。
すごく自分が強くなったような気がする、はず。これは、アメリカから銃をなくしていくのは大変だわ。
さて、どうせなら別の銃も試してみようと言うことで、ライフルを撃ってみることにした。
借りたのはBerretta SX4。先ほど試した9mmの弾丸を使用する。
正確にはライフル用の弾丸を使うものをライフルというらしく、その意味ではこれはライフルには当たらないようだ。
Wikipediaによると、市民用ライフル(って何?) としてけっこう売れているらしい。市民用ライフル・・・。
しかしこの流れるようなライン、ミリタリーしてないなと思ってWekipediaで調べたらデザインはなんとジウジアーロ。
巨匠がこんなところでがんばっていたとは。巨匠、これ以外にも拳銃(M9000S)もデザインしているようだが、
うーん、正直かっこうわるいと思う。拳銃を買おうという人がどういう人か、分かっているのか・・・
しかしこの人、拳銃といい、バイクといい、線を整理したりシンプルにしたり、使いやすくしたりすることが、
必ずしもよい(皆がほしがる)デザインにつながるとは限らない、ということを教えてくれるような気がする、
なんて言ったらいいすぎか・・・。 ま、しかし、製品をデザインするだけでなく、
そうやって問題提起をするところが、さすがは巨匠である。
(今回は、ちょっと未来志向に振りすぎちゃった、てな感じだろうか)
照準用の穴。小さすぎ。こんなので覗けるのか?と思って構えてみたら、
この小さな穴の向こうにバレルの先の照星が良い具合に見える。
しかしなんだろう、このLR。左右?最近話題の競泳水着とは
何ら関係はないだろうが。
10ヤード先にターゲットを置いて撃ってみたらちょうどど真ん中を打ち抜いた。おお。もう一度ねらって撃ったら、
ほとんど同じ場所をまた打ち抜いた。すげー!ターゲットを一番奥(20ヤード?)にセットして撃ってみる。
さすがにばらけてくるが、それでも着弾の集まり具合はさすがだ。
これで座って撃ったり、寝て撃ったりしたらもっと命中率はあがるはず。
ゴルゴのようにとは行かないにしても、なるほどこれはおもしろい。ちなみに連射はできない。
そういう意味では、銃身の非常に長い拳銃、と言えなくもないかも知れない。