FLOOR L-69


Manchester Firing Line Range


どういうわけかMassachusetts州は銃規制が激しいらしく、銃砲店がほとんどないばかりか射撃場も
ほとんどない。で、Manchester Firing Line Range。
隣のNew Hampshire州にある射撃場だ。この射撃場はレンタルもやっており、
手軽に撃ちに行ける。当方の家からは車で1時間程度、ということで出かけてみた。

建物に近づくと、「パン!パン!」と音が漏れてくる。ガラスの向こうで誰かが撃っている。
その音を横で聞きつつ、受付で登録し銃を借りる。免許証(Photo ID)のみでOK。
ここでは射撃に使用するブースが10あるが、ブース1時間で15ドル、
銃は大きさにもよるがオートマチック等が一回20ドル、弾丸が50発で20-40ドル。
標的は一枚1ドル。高い、のか? 売り物と比べたわけではないので分からないが。
様々な銃を一度に借りてもごっちゃになるので、まずは比較的一般的に使われている9mm弾を使用する銃から。

まずはGlock19。Glockはオーストリアの銃器メーカーで、初めて構造体の一部に
プラスチック(というか複合材)を使用した、いわば画期的な銃である。

中学・高校時代にマルイあたりのモデルガンを買った人ならすでにおわかりとは思うが、
一応確認のためにオートマチック式のおさらいを。
トリガー(引き金)を引くと、銃の後ろにる撃鉄(上の図では見えない)が実包(発射される弾丸、火薬、火薬を
収納し弾丸を固定する薬莢からなる)に衝撃を与え、それにより薬莢内の火薬が爆発して弾丸が発射される。
弾丸が発射されると、その反動でスライド・薬莢が後ろに動く。
後ろに動いた薬莢は後ろの壁に当たり、カギ状の部品によって外にはじき飛ばされる(廃莢)。
また撃鉄は、このスライドの動きによりまた引き金を引けば発射できるような位置に戻る。
スライドについたバネによりスライド本体が元の位置に戻るとき、マガジン(弾倉)の一番上にある薬莢を
引っかけて、バレル内の弾丸を発射できる位置に誘導する。
弾倉内にはバネがあり、一つの弾丸が動いた後は、その下の弾丸が次々とせり上がってくる
スライドが元に戻ったとき、弾丸の数以外は全て元の状態に戻っている。
・・・まあ一言で言えば、よくできている。

それ以外には、
・シア=スライドを後退させた状態で固定するレバー。弾丸を打ち尽くすとスライドが
後退して、上の写真のような状態で止まる。ここで実包を装填したマガジンを
装着し、シアを引き下げると、最初の実包がバレル内に送られる。
・セーフティ=間違って発射されないようにするレバー

などが装備されている。

弾丸と銃をプラスチックのケースに入れてブースに向かう。
ブースに向かう途中は二重のドアで受付と隔離されている。
(何せうるさい。両方のドアが開いて、大音響が外に漏れたら大問題だ。これすなわち、
素通に発射する銃の音というのは、相当、つまり耳をつんざくほど大きいと言うことだ)
ドアを通る前にこれもレンタルのイヤマフ(ヘッドホンみたいなもの、1ドル)を装着する。
しないと数日耳鳴りが続くと言われた。眼球防護用のゴーグルもあったが、眼鏡をしているので借りず。
ブースは横をコンクリのブロックで防護され、手前にはテーブルがあるだけのシンプルな構成。
壁にはターゲット移動用のスイッチがある。
入ったときは親子(オヤジ一人と娘二人)、いかにも軍関係の、真面目に
訓練している風の男が一人、ブースを使っていた。


天井にワイヤーが張ってあり、クリップで紙のターゲットを取り付ける。
壁のスイッチを操作すると、モーターでワイヤーが動いて自分の好きな距離にターゲットを配置できる。
人の形をしたターゲットもあったが、ちょっと生々しいので円形の的をここではチョイス。
ターゲットは奥行き18メートル(20ヤード?)くらいあるが、拳銃を使っている他の人はだいたい10ヤード、
場合によっては5ヤードくらいのところにターゲットを固定して撃っているので、
自分も10ヤードあたりで固定。しかしこれ、考えようによっては、
拳銃の使用範囲は5-10メートル程度の近距離で使用するのが一般的、ということだ。
ちなみに紙を取り付ける部分、金具は45度の斜めになっており、弾が当たっても
横にはじくように工夫されている。

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Updated at Wed, Jun 25, 2008