大統領選挙のTVコマーシャルでネガティブキャンペーンが流行だ。30秒の枠組みの中で20秒くらい使って「オバマ氏はこういいました」「オバマ氏はこのように約束しました」と続くのでオバマ氏の広告か?と思いきや次のの6秒で「でもこれは嘘です」「彼は皆さんを不幸にします」最後の4秒で「私マケインはこのメッセージを承認します」大統領になるために夢を語らず公約をせず、ただ相手を陥れるだけの宣伝合戦。見ていて気分が悪くなるのであるが、新聞広告でも同様のものを見つけてしまった。この写真、新聞の裏、全面広告。ぱっと見キャンベルのスープの宣伝みたいだが、「キャンベルのスープにはMSG(グルタミン酸ナトリウム、すなわち味の素)が使われています」と書いてある。MSGは米国では中華料理症候群を引き起こすという噂がたち敬遠する人がいるが、FDA(米国食品薬品局)その他の調査により、MSGの毒性は食塩並みであることが証明されている。にも関わらず(害がないことを知っている)食品会社がわざわざこれを言うということは、要はMSGを使ってますということでキャンベルのスープの風評を落とそうとしている、ということである。この宣伝主はProgressoという会社で、下の方に「Progressoの「おいしい」スープにはMSGが入っていません」と小さく書いてある。こういう形の広告は、見ていて非常に気分が悪いので、すぐにやめて欲しいと思う今日この頃である。
補足:大統領選挙
現在オバマを擁する民主党が優勢で、こりゃ勝ち目がなくなってきたと思ったマケイン共和党陣営は、ネガティブキャンペーンを始めることにした。米国の人に言わせるとこのネガティブキャンペーン、共和党は過去これで大成功を収めている。民主党ケリーが台頭してきたとき、共和党は「ケリーがかつて別な無時代に警備艇で上げた戦果はうそだ」と言ったことで評判を落としたケリーは大きく後退し、ブッシュ大統領の再任につながった、とされる。その後「戦果は嘘だ」という発言そのものが嘘だったことが分かるのであるが、それで大統領の座がひっくりかえる訳でもなく、要は、嘘であろうがなんであろうが相手を陥れてしまえば勝ち、という泥沼の戦いがかつて展開されており、それに味を占めた共和党が、今回もかなりやばいぞということで(また)泥沼戦を展開しようとしている、ということらしい。米国人の従業員は「うーんかなり醜くなってきたな」と言っていた。どうなるのであろうか。