FLOOR J-08


千浩観察室(15ヶ月-17ヶ月)

・意味のある言葉
ここにきて、 意味のある言葉が出てきたように思う。
といっても、まだ簡単な言葉だけだ。物を指すとき、「こえ」
わからないときは、「こえなに」(と時々聞こえる)
自分を呼ぶときは、「パッパ!」 ま、悪い気分ではない。
でもこれだけでは意味のある言葉をしゃべっていることにはならないか。
でも徐々に言葉というものを理解してきたということか。
「こえ」等と物に興味を示しているということは、やはり知的なことに
興味があると、 そう考えてよいのではないだろうか。


ヨーグルトで顔面真っ白の図。フォークで一人で芋等を口に運べ、御満悦だった。
この絵とはなんの関係もないが。

でぶになった。
千浩が成長するのをグラフで示した図がある。
身長は、だいたい真ん中上目を、体重は平均の幅の線からはみ出している。
これはいかん。
昔は丸まると太っていた赤ちゃんは良いこととされていたが、
これはいけないような気がする。何でも脂肪のバランス等は
早いうちに決まるものだそうで、そう言うことを聞くと 心配だ。
しかしよく食う。裸の千浩を見たら、確かに太っている。
かわいいけど、これはいかん。

動物を見て固まる。
千浩は動物をどのように見ているのだろうか。
実家にいる犬には、自分からは近づかない。触らせようとしても
なかなか手を伸ばさない。大きなものには恐れを抱いているのだろうか。
じゃ、小動物はどうかなということで、 鎌倉八幡宮に行って、鳩の群れと合わせてみた。
が、 だめだ。完全に固まっている。
どう反応したらいいか分からず、困っているようにもみえる。
鳩のえさを買ってきてまくと、面白いように鳩が寄ってくる。が、
それでも固まったままだ。虫などは「あ、こえ」とかいって興味を示すが、
いつ慣れるのだろうか。どうでも良いかも知れないが、体が小さいせいか、
小さなものには本当に良く気がつく。

固まる千浩。てんでに動く鳩の中で、ひたすら立ち尽くしている。

ごっこ遊びが出来るようになる。
食べ物の模型、というかおもちゃなどで遊べるようになった。本当に食べられないことは
分かっている。それで遊ぶことで食べてるような気分になったり出来ることを知ったということだ。
まあようはままごと遊びなのだが、けっこう重要なのではないかと思える。
大人も車のゲームとか、あるいは小説を読むようなこと、映画を見ること等もそれが
現実でないことは知っている。がそれをあたかも現実のように楽しむことが出来る。
まさに高等生物ならではの遊びだなあと思うのである。

単語、増える。
かなり周りの音等をまねて声を出すことが出来るようになってきた。
車などは「ブー」、パンは「パン」、電車は「タン、タン」等だ。
男の子は車や電車が空きになるというが、千浩も例に漏れず乗り物は好きだ。
バスのミニカーを買ったら、嬉しそうに走られて遊んでいた。周りの人間の
腕や足も道路に変身だ。楽しそうである。

千浩の夢
自分が昔見た夢を思い出してみると、覚えているのはほとんど怖い夢だ。
それもほとんどが母親に置いていかれ、「おかあさん!」等と泣き叫びながら
追いかけるような夢が多かったように感じる。さらによ〜く考えると、
父親の夢なんてほとんど見てない、というか全く覚えてない。
小さい時の母親の存在というのは、なるほど絶大だなと思う。
やはり千浩が今見ている夢も、母親の夢なのであろうか。
父親として、いったい何が出来るのであろうかと、ただ給料持って帰るだけの
存在にならないよう、どうすべきなのだろうと考えてみたりするのであった。

なんとも平和そうな顔をして寝ている。非常に和む。
しかも冬はほかほかに暖かい。体重12kgぐらいの生き物が、
体をほかほかにして、いい匂いを発散させながら寝ている、
そういうのがなんとも笑えてくるほどにおかしい。
(それだけだったら犬も猫も変わらないかも知れないが。)

17ヶ月以降。アメリカに行ってみる。


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Updated at July 26, 2000