FLOOR J-06
千浩観察室(11ヶ月-13ヶ月)
・インフルエンザにかかる。
いきなり40度以上の熱を出してダウン。医者に見てもらう。
心配する親をよそに、けっこう医者は冷たい。というか、冷静。
「あ〜、脱水症状になったら涙も出ませんから」
な〜んて言っているが、やっぱり可哀想だ。子供の病気を替わってあげたいと
言っている親の気持ちが、ようやくわかった。なんて言っているうちに、
インフルエンザ移された。40度くらい出た。きっついな〜。
・千浩、入院、手術。
またまた高熱。数日医者に見てもらうが熱は引かず。
耳のあたりがぽっこり膨らんできたので耳鼻科に見せると、
膿か何か溜まっているということで、総合病院に移されそのまま入院。
あれよあれよと言う間に手術決定、次の日手術。
中耳炎?耳のあたりに膿が溜まっていたので、全身麻酔の後、耳の後ろを切って
膿を出した。骨や肉も一部侵されていたらしい。ところが主人(私)は当日出張、宿泊。
いや、電話である程度は聞いたけど、休まらんね〜。なんとも。
で、次の日もそのまま宿泊して二日後なんとか帰る。
手術後すぐ。手に点滴をつながれているせいか、機嫌は悪い。
目にも精気が感じられない。ぼーっとしている。
病室では点滴をずっと刺されているせいか、あまり笑わない。
耳の後ろも膿を出すために開けてあるみたいだし。
母親以外の人が抱こうとすると、とてもいやがる。けっこう辛い体験だったに
違いない。自分で抱いたが、相当泣かれた。最後は観念して寝ていたが・・・。
ま、大事に至らなくて(ちょっと大事だが)よかったかなと。早く点滴やなんやらから
開放されて、いつもの笑顔に戻って欲しいと切に願うのであった。
耳のガーゼを外さないよう、ネットを頭からかぶる。
なんだかこんなの、テレビで見たぞ。
手術から10日あまり、ようやく抜糸。点滴もとれてかなり御機嫌に。
いや、よかった。もう少しで退院である。
ちなみに病院内は、というか小児病棟は子供だらけ。当たり前だが、
千浩よりも小さい子供も多く、3ヶ月くらいの子供が点滴につながれ、
心拍をモニターされながらベッドに横たわっている、というのは見ていて
気持ちのいいものじゃないな。常にどこかで泣き声が聞こえるし。
新幹線何かで聞く赤ん坊の泣き声というのは、やはりなんとかしなきゃ、と
思う本能が叫んでるのに何も出来ないからあんなに苛立つのだろう、きっと。
それでもこうして医者があって、もしかしたら死んでいたかも知れないうちの子供なんかが
こうして助かっているわけで、ありがたいものだな〜としょうもない感謝をしてみたり。
子供のかわいさは何時がピークか。
自分の子供を褒めても仕方ない話だが、自分には自分の子供はかわいく見える。
当たり前、と思う話だ。生まれたときは、ま、はっきり言えばそれほどかわいくなかったが
初めての子供、という感動が大きかった。いい匂いもしたし。
3-4ヶ月の頃、少しずつ笑うようになってきた。とてもかわいい。
その時はその頃が一番かわいくて、その後はだんだんかわいさが薄れてくるものだろう、と
思っていた。しかし、1歳を迎えようとしている現在、千浩は以前にも増して
かわいく見える。これはどういうことだ。
恐らくは、表情が非情に豊かになってきている、というのがあるだろう。
赤ん坊らしい屈託のなさ、というのも高得点だ。
日々進歩している成長も目を見張るものがある。
親を認識して、甘えてくれるのもあるだろう。
こうしたかわいさは、何時がピークなのか。上に上げた項目が少しずつ薄れて、
屈託が無くなり、甘えてこず、成長もしなくなったらかわいくないのか。
(かわいくないかも知れんな)
回りに聞くと、1歳半-2歳頃がもっともかわいいという声がいくつかあった。
そういうものか。別にどうでも良いのかも知れないが、ふと気になった。
孫はかわいいか。
千浩の看病で大阪から来ている妻の母、つまり祖母がNHK教育テレビを見ていた。
英国の番組で、人間の老いについての教育番組だったそうだ。
それによると、人間というもの、自分の孫を見て初めて自分の人生があるピリオドを
迎えたことを実感するという。言い換えるなら、自分の子供が子供を作って
ある種の達成感を得る、というらしい。
ま、そう言うものかも知れない。人間は育児期間がとても長い動物で、
子供を産んだからといって子孫を残したとはとても言えないからだ。
祖母は言う。「孫のかわいさというものは、自分の子供とは全然違うかわいさがある」
そうかもしれない。そうでないかも知れない。25-30年経てば分かるかも。
もしかしたら分からないかも。知って見たい気もする。でも今考えても
どうにもならないことだな、これは。聞いて分かることかも知れないし、
聞いたって体験するまでは分からないかも知れない。
「子供は良いぞ〜」なんて、耳にタコくらい聞いたが、はっきり言うと
「それがどうした」なんて思っていた。それが今では子供の
サイトまで作って日々更新している。誰が見るとも知れない、
なんて事のないしょうもないサイトをだ。なんてことだ。
満一才の誕生日。
誕生日は家で過ごせた。というか、当日は出張だったので、その前の休日に
パーティーを開いた。入院中は歩けなかったせいか、足取りがよろよろしていたが、
すでに回復。あちこちを嬉しそうに歩き回る。どうやら、リズムを取ることを
覚えてきたように感じる。ある一定の間隔で何かを叩いたりできるようだ。
また、笑い方等も親をまねしようとしている。「あはははは」などと、
むちゃくちゃ不自然に笑っている。ちょうどこのころ、知人の次男が
生まれたので見に行く。あまりの小ささにびっくり。一年で子供が
こんなに成長することにもびっくり。
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Updated at Apr. 01,2000