FLOOR J-11
千浩観察室(24ヶ月-)
2才の誕生日。
昨年の今ごろは入院して大変だったので、今年はなんと平和な
誕生日であることよ。妻がケーキを手作り。頬張る千浩。
やっぱ病気がないというのはいいことだとつくづく思うのであった。
ここのところ反抗期?
最近妙に甘えん坊だ。街を歩いていても自分で面白がってずんずん進んでいたのが、
「んぶ」(おんぶ)「っこ」(だっこ)とうるさい。だめというと地面に突っ伏して泣いたり
暴れたり。「手を洗いなさい」といっても嫌なことは「べべ」と言っていやがる。
妻も手を焼いている、これは反抗期か。子どもが俺は俺だと自己主張する、初めての
時期であると巷では言われるが、確かに大変だ。休日にちょっと遊んでみたが、
これはすごい。これを24時間やっている母は本当にお疲れさまという気分だ。
タイミングのいいところで、ベネッセの教材「チャレンジポケット」(例のしまじろう) が
とどく。タイトルは「余裕で乗りきれ、反抗期」呼んでみると、全編反抗期の
愚痴と報告の投稿で埋め尽くされていた。おそるべし、反抗期。
文を作り出した。
「パパ、いない」「これ、ママの」
簡単な言葉だが、それでも言葉を組み立てはじめた。だんだん面白くなってきた。
胎内の記憶。
妻が千浩に聞いてみた。千浩の、生まれる前の記憶を。こういうことは先入観を
植え付けてはいけないというので、こうなのか?とあらかじめ何かを押し付けるような
ことは今回、なるべくしてない。
「おなかの中で、何してたの?」「ブーブー。赤。ピカ。っっちゃん。っっちゃん。」
と言いながらなんども指をなめるまねをした。
「生まれるとき、痛かった?」「うん。白。」
ちなみに、千浩は胎児の時、超音波でみるとぴょこぴょこ跳ねていたので、
「はねちゃん」と呼ばれていた。それを覚えているのかもしれない。
それと、胎内で指をなめるのは、乳房を吸う訓練のため、よく見られる光景ともいわれる。
もっとも、質問の内容を千浩がどれだけ理解しているかは、分からない。自分が母の
胎内にいたということを千浩が知っているかということも、わからない。でも、
痛い、赤白などの言葉は知っている。そこら辺を理解しているとしたら、
これは結構興味深い回答と言えそうだ。
自分がちいさな子どもの時、自分のルーツというか、自分の持っている記憶はなんだろうかと
記憶をさかのぼって見たことがあった。でも生まれるころまでにはどうしても たどり着けなかった。
我々が聞いた回答は、本当に生まれる前の記憶だったのか。
その確証はないし、確証を取れるまでに千浩がしっかりしたら、その時は
記憶が消えてしまっているかもしれない、明け方の夢のように。でも千浩は、
生まれる前、妻の腹を突っつくと時々蹴り返してきたりする様な状態だった。
体重だって2000gとかだ。それで光や色や、音や痛みを感じているとしたら、
これはとってもエキサイティングな事だ。そして、我々大人が知識でしか知らない
ことを、体験で知っている子どもは、大したもんだと思ってしまうのだ、実際。
我々の頭の中のどこかにも、ほこりをかぶったそんな記憶が眠っているかもしれない。
どこかの劇団よろしくお化粧している千浩。本当は黒ゴマジャムだ。
文を作り出す。
「おっちゃんバイバイって言った」などと話しだす。 「分かった?」と言うと
「ん」と答えることもあれば、そうでないこともある。子どもは親の言うことを
かなりの割合で理解しているようだ。
江ノ電藤沢駅。 一見メトロのプラットホームかと思った。電車はお気に入りだ。
毎日トーマスのプラレールで遊ぶ。ジェームスとかヘンリーとか、よく
覚えられるものだと感心する。
最近自我が強い。
朝ご飯の時とか、自分で遊びたいと思ったらなかなか食べようとしない。
「これしよう」といっても「いやだ」。時々大声で「い〜や〜だ〜〜」
ま、独立心が育ってきたということで大目に見ようと思う。
楽ではないが。
理由を作って反論。
店に行ったとき、靴を脱ぎたがったので、「床に何か落ちてて怪我するかも
知れないからだめ 」といったら、いきなり四つんばいで数歩歩いて、「ほら」
どうだ大丈夫と言わんばかりでこっちを見た。こっちがダメと言ったことに対し、
自分で反論材料を作って見せるとはびっくり。成長したものだと関心。
おしっこ、トイレで出来るようになる。
下半身裸で遊ばせておいて、おまるを近くに置いておく。自然に誘導して出来るように。
まだ完全ではないが、かなり楽になった。ふう。
言葉をまねする。
日本語の発音、とてもきれいとまでは行かないが、けっこうまねするようになってきた。
なるほど、いろいろな言葉を言わせてみるのも面白い。はじめは面白がって郷ひろみの
「ア〜チ〜チ〜!」「ジャペーン!」とか教えていたが、それもなんなので
別の、もっと役に立つ言葉を。
(本当は「ジャペーン!」「ジャペーン!」「ジャペーン!」連呼されてうるさくて困ったので)
完璧ではないので「水玉」「ずみばた」「パパ殿」「パパドン」などと返ってくる
こともあるが、それもひとつの遊びと思って返事のゆらぎ具合を楽しんでみる。
質問してきた。
「パパ、カレー、おいしい??」と聞かれる。 今まで
「青いね」「速いね」などと半分自分の意見、半分確認を求めているような
発言は多かったが、はっきりした質問形で聞かれたのははじめて。
うーん、成長した。情報収集の大事なツールだからな〜。
時間の観念。
「これママがくれたの、昨日。」などと会話をする。 が、実際にもらったのは
数日前。千浩にとってはまだ、今と過去しかないみたいだ。現在2歳と8ヶ月。
そんなものだろうか。そういや、「今10時半」などと時間に関する発言が相次ぐ。
まさか時計を読めるのか?とびっくりしたが、親がしゃべっているのをまねしている
みたいだ。しかし、「今9時半」などとしゃべっているのをみると、意外に
時間のずれは少なく(2時間以上は絶対にずれない)、もしかして何か分かっているのか?と
期待させてくれる。
見栄?
「今日おおかみ(雷)、ぼろぼろっていった」と報告を受ける。
「怖くないね」と何度も繰り返すが、かえって怖かったのがバレバレなんですけど。
一生懸命怖くないと言っている姿が逆にかわいいのであった。
たしなめられる。
ちょっかいを出すママに「やめな、しゃい、ママ」と言った。
はじめて意味の分かる絵を描いた。
パパとママとちょんくん(千浩君)とのこと。
友達が描いているのをまねたのでは?(妻)ということだが、
まあいいのである。家族を描いてくれたってのも高ポイント。
親ばかと笑われてもいい。感動した!!(小泉首相風)
いままで訳の分からない線ばっかり書きなぐっていたが、これで
抽象画家から具象画家へ脱皮だ(どこが)。会社の一人がつぶやく。
「もののけ姫のコダマみたいですね・・・。」 ああ、それがどうした。
RPGごっこであそぶ。
「ぶたさんのママー!」「ブウブウ」「羊さんの赤ちゃん」「メエエー」
自分の立場をころころ変えてごっこ遊びができるようになってきた。
なんつうのか、かしこくなったなと実感。
自分でシャツを着れるように。
大きなほうから頭を入れて、首と腕を通す。
ズボンもルーズな形状のものならいける。くつもなんとか
はけるように。かなり進歩した。
やはり、男の子か。
プレイステーションのグランツーリスモ、自分でも運転したがる。
ハンドル操作は出来ないのでアクセル押しっぱなしだが、
ハンドルをブレーキをこっちでやることで何とか走る。
リプレイ画面を見ながらレバーをガチャガチャ。
車は嫌いでないようだ。特に色の鮮やかなものは大好きだ。
地図を見ていたら割り込んできた。「ここをグルーっと、びゃーっと」
などと楽しそうにしゃべる。「ここは高速道路だね」
やはり、男の子なんだなとこういう瞬間、思う。
江の島に。植物園は脱力感アイテムでいっぱい。
「顔出して〜」と言ったら、頭を穴に突っ込もうとしていた。
3歳の誕生日だ。
例によってケーキを妻が作る。ここのところ、あまり大きな変化がないような、
そんな気がしていたが、そうは言っても、特に言葉とか情緒面にかなりの
進歩が見られるような気がする。引き続き、観察する。
千浩観察室36ヶ月-へ
千浩研究室ホームに戻る
Kodama Propulsion Laboratoryホームに戻る
Copyright 1996-2013 Ryo kodama
Updated at May 26, 2002